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記者会見する小林製薬の小林章浩社長=大阪市中央区で2020年1月31日午後4時14分、宇都宮裕一撮影

製薬会社、品薄のマスクなど増産急ぐ 新型肺炎で需要急増

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 新型コロナウイルスによる肺炎の感染が国内でも確認され、ドラッグストアなど国内の店頭でマスクや除菌消臭剤などが品薄になっている。感染対策への意識が高まっているためで、訪日外国人客が多く訪れる関西地区の製薬会社への注文も急増し、各社は増産を急いでいる。

 「品薄でニーズがある。急ぎ増産を検討したい」。小林製薬の小林章浩社長は31日に大阪市内で開いた記者会見でこう表明した。小林製薬では今年1月のマスクの出荷金額は、前年比3割増だった。肺炎の感染予防にと、日本人に加えて、訪日した中国人の購入も増加し、取引先からの追加注文が相次いでいるためだ。海外ではあまり売られていない子供専用マスクの販売が、中国人観光客が多く集まる大阪・心斎橋などで増えているという。ただ、マスクの原材料の一部は各社の増産の動きによって不足がちになっているといい「どこまで増産できるか分からない」状況という。

 抗ウイルス加工を施した不織布マスクを販売するシキボウは、1月半ば時点での公式ネットショップでのマスクの販売量が、前年の同時期の約5倍に急増した。追加注文が今後も相次げば、増産を検討する。

 一方、大幸薬品では主力商品の除菌消臭剤「クレベリン」の引き合いが強まっている。関西国際空港などで設置する動きがあるほか、消費者からの問い合わせが増えているという。今後の販売状況によっては、生産委託先とも協力して増産を検討する。【宇都宮裕一】