ＪＢＣの不当な処分で試合できず…亀田３兄弟、損害賠償４５５０万円で勝訴

　プロボクシング元世界王者の亀田興毅さんら３兄弟とマネジメント会社が、日本ボクシングコミッション（ＪＢＣ）の不当な処分で損害を受けたとして、ＪＢＣと秋山弘志理事長らに約６億６０００万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁（谷口安史裁判長）は３１日、総額４５５０万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

　判決などによると、国際ボクシング連盟（ＩＢＦ）王者だった亀田大毅さんが臨んだ２０１３年１２月の２団体統一戦で、相手選手が計量に失敗。試合は開催され、大毅さんは敗れた。ＩＢＦは「（亀田側が）敗れた場合、王座は空位」と前日に発表し、報道もされていたが、試合後に「誤りだった」と王座維持を発表したことから、混乱した。

　ＪＢＣは、勝敗に関係なく王座が維持されると亀田側が事前に認識していながらＪＢＣに伝えなかったことなど、亀田ジム側の対応を問題視し、ジムの会長らのライセンスを更新しない処分を１４年に下した。亀田３兄弟は国内で試合ができなくなり、得られたはずのファイトマネーなどを失ったと主張していた。

　判決では、敗れても王座維持がＩＢＦのルールだったと認定。所属ジムの会長やマネジャーに、この試合に関してどう報道されるかを監視する義務はなく、十分に確認しなかったＪＢＣ自身に原因があり、処分は不当と判断した。