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吉村洋文大阪府知事=加古信志撮影

吉村・大阪府知事が国の情報開示を批判 感染者の滞在場所を市町村別に公表へ

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 新型肺炎の感染が広がる中、大阪府の吉村洋文知事は31日、報道陣の取材に「国があまりにも情報開示しないので、違うやり方でやっていく」と述べて国の姿勢を批判し、府独自の基準で感染者に関する情報を開示していく方針を改めて強調した。「個人情報への配慮や風評被害を防ぎながら、正確な情報を提供するのが重要だ」と主張した。

 国は感染者の詳しい移動状況を公表していないが、府は28日の対策本部会議で、府内の感染者の滞在場所を市町村別に公表し、感染リスクに応じて詳細なエリアの公表も個別に検討するとのルールを決めた。感染が確認された大阪市在住の40代の女性ガイドについて、府の担当部署は詳細は明かさなかったが、吉村知事は30日に「政治家としての判断」として、大阪市内の複数の観光地を巡っていたことを明らかにした。

 公表理由について吉村知事は「府内で発生したという情報だけでは府民880万人が不安になる。滞在エリアを公表すれば対象が狭まり、適切な自己防衛策を取るきっかけになる。府の情報が府民のものという視点が必要だ」と説明。今後は滞在した時間帯の公表も個別に判断する考えを示した。【津久井達、矢追健介】