複数の海外口座に収益隠匿か 漫画村の元運営者
海賊版サイト「漫画村」を巡る著作権法違反事件で、違法に得た広告収益を海外の口座に隠したとして、福岡県警などは9日、サイト運営を主導したとされる星野路実被告(27)を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)の疑いで再逮捕した。県警は、同容疑者が捜査機関による差し押さえや摘発を逃れる目的で海外に複数の口座を保有していたとみて調べている。
県警によると、星野容疑者は「事件に関する一切のことは黙秘したい」と供述している。
再逮捕容疑は2016年12月26日から17年9月1日までの間、18回にわたって漫画村に掲載した広告で得た計4845万532円を香港の銀行口座に振り込ませ、犯罪収益を隠匿した疑い。
県警によると、同容疑者は日本の捜査権が及ばないセーシェル共和国に実態のない法人を設立。香港の銀行に同社名義の口座を開設し、漫画村の広告収入を隠していた。海外の口座は他にもあったとみられ、県警はさらに多くの広告収入を得ていたとみている。
漫画村に掲載されていたのは、閲覧数などに応じて報酬が支払われる「アフィリエイト広告」。県警によると、ネット広告収入を犯罪収益とみなし、同法違反容疑で立件するのは全国初という。
星野容疑者は漫画「ワンピース」と「キングダム」の2話を違法に公開したとして、著作権法違反罪で起訴。県警などは漫画村で得た違法な広告収入についても捜査を続けていた。