https://www.sanspo.com/baseball/news/20191209/../../../baseball/images/20191209/tig19120913000011-p1.jpg
笑顔で子供に教える阪神・守屋功輝投手【拡大】

【球界ここだけの話(1822)】阪神・守屋、故郷・倉敷へ誓った進化と勝利の方程式入り

 今年、大ブレークした阪神・守屋功輝投手(26)が、故郷で来季への意気込みを語った。

 未就学児を対象にした日本プロ野球選手会主催の交流イベント「キッズ・ボールパーク」(共催=野球・ソフトボール活性化委員会)で、地元である岡山・倉敷市を訪れた。

 「普通の生活ができていない状況の方がたくさんおられると思うので、そういうことを忘れさせるという時間になったのかなと思います」

 倉敷市は昨年7月の豪雨で被害を受け、このイベントが開催された真備総合公園体育館の横には60世帯ほどが仮説住宅で生活している。

 被災地への支援も考えたそうだが「ちょっと余裕がなくて。もうちょっと給料が上がってからですかね」と実現はできていなかった。

 昨年までプロ4年間で1軍登板は9試合のみ。自分自身が生き残るために必死だった。それが今季は57試合に登板し、プロ初勝利を含む2勝2敗、防御率3・00と一気に1軍の中心投手となり、年俸は700万円から3倍超の2300万円まで上がった。

 それでも「ホールドが少ない(7)。同点で投げさせてもらっている場面で失敗するというのが目立ったので、そこをゼロで抑えられれば成績も変わったのかなと思う」と悔しさをにじませた。

 さらなるレベルアップを目指し、オフでは決め球を磨く。ゴロを打たせる投球が持ち味だが、中継ぎでは三振で抑えたい場面もある。「狙って三振を取れるように。フォークはワンバウンドになるように。スライダーもストライクからボールにするときの精度が悪かった」と改良に取り組む。

 倉敷市のイベント後には仮設住宅を慰問し、サインや握手で住民と触れ合った。

 「僕たちができることは試合で活躍して、感動や元気を与えること。中継ぎやっている以上は勝ちパターンを目指さないといけない」

 故郷で苦しんでいる人への思いを胸に、進化と勝利の方程式入りを誓った。(菊地峻太朗)