ボルカー元FRB議長が死去、92歳…物価上昇鎮めた「インフレファイター」

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前米連邦準備制度理事会(FRB)議長として講演するポール・ボルガー氏(1989年8月、大阪市で)

 【ワシントン=山内竜介】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)などは9日、米連邦準備制度理事会(FRB)の元議長、ポール・ボルカー氏が死去したと伝えた。92歳だった。

 米カーター、レーガン両政権下の1979~87年にFRB議長を務めた。就任直後から、当時の米経済を苦しめていた高インフレの沈静化に力を注ぎ、「インフレファイター」の異名を取った。

 続投を望む声もあったが、終盤のレーガン政権とは微妙な溝も生まれ、アラン・グリーンスパン氏に議長の座を譲った。

 退任後も要職を歴任。金融危機からの回復を目指すオバマ政権下では大統領経済回復諮問委員長を務め、商業銀行によるリスクの高い取引を制限する「ボルカールール」導入などに寄与した。旧・日本長期信用銀行(現・新生銀行)の経営アドバイザーを務めたこともある。