首相、憲法改正「私の手で成し遂げていきたい」

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臨時国会閉会を受けて記者会見する安倍首相(9日午後、首相官邸で)=米山要撮影

 安倍首相は9日、第200臨時国会が閉会したことを受けて首相官邸で記者会見し、憲法改正について「必ずや私の手で成し遂げていきたい」と述べ、自民党総裁任期の終わる2021年9月までの実現に強い意欲を示した。首相主催の「桜を見る会」については、全般的な見直しを行う考えを強調した。

 首相は、今国会で憲法改正に関する国民投票法改正案が成立しなかったことについて「誠に残念だ」と指摘。その上で、「国民的関心は高まりつつある。自民党が先頭に立って、憲法改正に向けた歩みを一歩一歩着実に進めていきたい」と語った。

 来年1月に召集される通常国会では「与野党の枠を超えた活発な議論を通じ、令和の時代にふさわしい憲法改正原案の策定を加速させていきたい」と述べ、改憲論議の進展に期待を示した。

 桜を見る会については、「招待者の基準が曖昧で、結果として招待者の数が膨れ上がってしまった。これまでの運用を大いに反省する」と述べ、自らの責任で招待基準の明確化や招待プロセスの透明化などの見直しを行うと説明した。

 衆院解散・総選挙について問われると、「夏の参院選が終わったばかりで、参院選で約束したことを実行しなければいけないと頭がいっぱいだし、そのことに集中している」と強調した。「国民の負託に応えていく上で、国民の信を問うべき時が来たと考えれば、解散総選挙を断行することにちゅうちょはない」とも語った。

 首相はまた、イランのロハニ大統領の来日を「現在調整している」と明言した。「この地域の緊張緩和、情勢の安定化に向けて、可能な限りの外交努力を尽くしていきたい」とも力を込めた。

 一方、立憲民主党などの野党は9日、今国会での内閣不信任決議案の提出を見送った。与野党が桜を見る会を巡り、閉会後も内閣委員会の理事会で政府から説明を受けることで合意したことを受け、提出の必要はないと判断した。

 野党は40日間の会期延長を求めたが、衆院議院運営委員会は与党の反対多数で否決した。

 ◆首相記者会見のポイント

 ▽憲法改正を「私の手で成し遂げたい」と意欲。通常国会での憲法改正原案策定の加速を期待

 ▽首相主催の「桜を見る会」のこれまでの運用を反省し、全般的見直しを行う

 ▽国民の信を問うべき時が来たと考えれば、衆院解散・総選挙をちゅうちょなく断行

 ▽イランのロハニ大統領の来日を「調整中」と明言