前内閣府副大臣で自民・秋元氏の元秘書宅、捜索…外為法違反の疑い

 海外に絡む不正な資金移動が行われた疑いが浮上し、東京地検特捜部がその関係先として、前内閣府副大臣で自民党の秋元司・衆院議員(48)(東京15区)の元秘書2人の自宅などを外国為替及び外国貿易法(外為法)違反容疑で捜索したことが関係者への取材で分かった。特捜部は近く捜査態勢を拡充し、資金の流れなどの解明を進めるとみられる。

 関係者によると、特捜部は7日から8日未明、東京都内にある秋元氏の元政策秘書と元私設秘書の自宅を捜索した。外為法は100万円超の現金を持って出入国する場合、税関への届け出を義務づけ、違反には罰則がある。今回、海外から無届けで現金が持ち込まれた疑いがあるという。

 元政策秘書は昨年頃まで秋元氏が代表の政党支部で、元私設秘書は2017年頃まで秋元氏関連の政治団体「秋元司後援会」で、それぞれ会計責任者だった。

 また、元政策秘書は、本店が千代田区に登記され、11年に設立された会社で17年まで代表取締役を務めた。その後は、元私設秘書が代表取締役を務める。秋元氏の妻も17年まで監査役で、「関連会社等報告書」によると、秋元氏も過去に同社の顧問に就いていた。

 秋元氏は9日の臨時国会閉会後、報道陣の取材に応じ、落選中に同社の顧問を務め、年100万~200万円程度の顧問料を受け取っていたなどと説明。「捜索の事実関係が分からず、コメントできない」とした一方、「自分も会社も不正に関わっていない。特捜部の聴取要請も受けていない」などと述べた。

 秋元氏は04年の参院選で初当選。10年の参院選で落選したが、12年の衆院選で比例復活した。17年10月の衆院選では東京15区から出馬して当選し、内閣府副大臣としてカジノを含む統合型リゾート(IR)などを担当していた。