流出事件の容疑者が出品、記憶媒体3904個が落札
神奈川県の行政文書を記録したハードディスク(HDD)がネットオークションに流出した事件で、HDDの処理業者「ブロードリンク」(東京)は9日、東京都内で記者会見を開いた。元社員で警視庁に窃盗容疑で逮捕された高橋雄一容疑者(51)(懲戒解雇)がオークションに出品し、落札された記憶媒体は3904個あったことを明らかにした。
同社によると、高橋容疑者が入社した2016年2月以降、オークションに出品して落札された品は7844個あり、うち記憶媒体は3904個だった。HDDのほか、USBメモリー、SDカード、スマートフォンなどで、ほかにケーブルやイヤホンなどの電子機器も出品されていた。同社は記憶媒体について、製造番号などから仕入れ先の特定作業を続けている。
榊彰一社長は「多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことをおわび申し上げる」と謝罪。榊社長は管理体制に問題があったとして、同社の営業活動を1か月自粛し、辞任する意向を明らかにした。再発防止策として今後HDDなどを破壊処理する際、破壊前後の写真を全て撮影することを挙げた。
不正発覚以降、同社には「(高橋容疑者から)HDDを購入したかもしれない」との連絡が複数寄せられているという。同社は専用ダイヤルを設け、情報提供を呼びかける。
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警視庁は8日、高橋容疑者を東京地検に送検した。