神奈川県データ流出 容疑者出品のHDDなど3904個が落札 ブロードリンク社長陳謝
by 毎日新聞神奈川県が借りていたサーバーのハードディスク(HDD)がインターネットオークションサイトで転売され個人情報が流出した問題で、窃盗容疑で逮捕された高橋雄一容疑者(51)が勤めていた情報機器関連会社「ブロードリンク」(東京都中央区)が9日、都内で記者会見を開き、高橋容疑者が入社以降にオークションに出品して落札された記憶媒体は計3904個だったことを明らかにした。
3904個の内訳は、HDD1286▽フラッシュメモリーを内蔵した記憶装置「SSD」1224▽USBメモリー742▽SDカード類558▽スマートフォン75▽タブレット端末19――。このほか電子機器のケーブルのような製品も含めると、計7844個が出品・落札された。「ヤフーオークション」やフリーマーケットアプリ「メルカリ」が利用されていたという。
高橋容疑者は2016年2月に入社し、警視庁の調べに「簡単にできるので、毎日のように(HDDなどを)盗み出していた」と供述。ブロードリンクは今後、出品された商品画像のシリアルナンバーと突き合わせるなどして、社内で盗まれたものかどうか特定する。
同社には9日午前、「転売されたHDDを購入したかもしれない」という連絡が複数寄せられたという。高橋容疑者は記憶媒体のデータ消去や破壊を担当していたが、同社では破壊されたことを確認する仕組みがなく、会見した榊彰一社長は「管理体制に問題があったと認識している」と陳謝。再発防止策を講じたうえで、社長を辞任する意向を示した。【最上和喜】