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記者会見の冒頭、ハードディスク(HDD)が転売され個人情報が流出した問題について頭を下げる情報機器関連会社「ブロードリンク」の榊彰一社長(中央)ら=東京都千代田区で2019年12月9日午後3時2分、竹内紀臣撮影

神奈川県データ流出 容疑者出品のHDDなど3904個が落札 ブロードリンク社長陳謝

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 神奈川県が借りていたサーバーのハードディスク(HDD)がインターネットオークションサイトで転売され個人情報が流出した問題で、窃盗容疑で逮捕された高橋雄一容疑者(51)が勤めていた情報機器関連会社「ブロードリンク」(東京都中央区)が9日、都内で記者会見を開き、高橋容疑者が入社以降にオークションに出品して落札された記憶媒体は計3904個だったことを明らかにした。

 3904個の内訳は、HDD1286▽フラッシュメモリーを内蔵した記憶装置「SSD」1224▽USBメモリー742▽SDカード類558▽スマートフォン75▽タブレット端末19――。このほか電子機器のケーブルのような製品も含めると、計7844個が出品・落札された。「ヤフーオークション」やフリーマーケットアプリ「メルカリ」が利用されていたという。

 高橋容疑者は2016年2月に入社し、警視庁の調べに「簡単にできるので、毎日のように(HDDなどを)盗み出していた」と供述。ブロードリンクは今後、出品された商品画像のシリアルナンバーと突き合わせるなどして、社内で盗まれたものかどうか特定する。

 同社には9日午前、「転売されたHDDを購入したかもしれない」という連絡が複数寄せられたという。高橋容疑者は記憶媒体のデータ消去や破壊を担当していたが、同社では破壊されたことを確認する仕組みがなく、会見した榊彰一社長は「管理体制に問題があったと認識している」と陳謝。再発防止策を講じたうえで、社長を辞任する意向を示した。【最上和喜】