WADA、東京五輪・パラ含む4年間ロシアを除外…「ごまかしと否定続けてきた」

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記者会見するWADAのリーディー会長(スイスのローザンヌで)=岡田浩幸撮影

 【ローザンヌ(スイス西部)=杉野謙太郎】世界反ドーピング機関(WADA)は9日、スイスのローザンヌで臨時常任理事会を開き、ロシアがドーピング検査に絡むデータを組織的に改ざんしたとして、2020年東京五輪・パラリンピックを含むスポーツの主要大会から4年間、ロシアを除外する処分を全会一致で決定した。ロシアは処分を受け入れるかどうかを21日以内に回答する。不服の場合、スポーツ仲裁裁判所(CAS)で争うことになる。

 ロシアは、国際オリンピック委員会(IOC)がロシア五輪委員会を資格停止とした18年平昌(ピョンチャン)冬季大会、来年の東京大会、22年北京冬季大会の3大会続けて五輪から除外される。ただ平昌大会と同様に、不正に関わっていないと証明できた選手は個人資格で参加する道が残される。

 ロシアは、米国や中国などとともに五輪でメダルを量産してきた強豪国。今回の処分によって、各競技の世界選手権への参加や国際スポーツ大会の開催もできなくなる。

 WADAは組織的ドーピングの実態解明のため、昨年9月にモスクワの検査所のデータ提供を条件にロシア反ドーピング機関(RUSADA)の資格停止を解除した。だが今年1月に回収したデータが改ざんされていたことがわかった。

 WADAのクレイグ・リーディー会長(英)は、「ロシアはあまりにも長い間、スポーツのクリーンさを損ねてきた。(組織的ドーピングの)問題を正常化する機会を与えられてきたにもかかわらず、自らを正す代わりに、ごまかしと否定を続けてきた」と強く非難した。