「Mi Note 10」クイックインプレッション
シャオミが「1億画素スマホ」でついに日本上陸
by 細田 頌翔世界シェア4位のスマートフォンメーカー、中国のシャオミ(Xiaomi、小米科技)がついに日本市場に本格参入する。
すでに、「Mi Ecosystem」という仕組みで同社が出資するパートナー企業の製品、たとえばスマートバンドやモバイルバッテリーは日本上陸を果たしている。また、同じくシャオミが出資するゲーミングスマートフォンメーカー、BlackShark社の「Black Shark 2」も2019年春に日本で発売された。そしていよいよ、主力のスマートフォンを投入するというわけだ。
そんなシャオミが日本向けの最初のスマートフォンとして選んだ製品は、2019年11月に海外で発表された最新機種「Mi Note 10」。中国では「Mi CC9 Pro」という名称で販売されている。
最大の特徴はメインカメラに1億画素の高解像度センサーを採用すること。メインカメラ(広角)のほかには望遠カメラが2つ、超広角カメラ、マクロカメラが加わり、背面に5つのカメラがずらりと並ぶペンタカメラとなっている。
「1億画素」「5眼カメラ」というインパクトのある仕様は、これまでシャオミを知らなかった人にも「なんだかスゴそうなスマホが出てきたな」と気付いてもらいやすいのではないだろうか。
さまざまな独自機能が詰め込まれた「MIUI」など気になる部分は多いが、まずはやはり注目のカメラを使ってみたい。
5つのカメラの役割を改めて確認しておくと、1億800万画素のメインカメラには使用頻度の高い82度の広角レンズが搭載されている。超広角カメラは2000万画素で、117度と広い範囲を写せる。
望遠カメラのうち、ひとつはメインカメラを基準として光学2倍相当の画角。ラージピクセルの1200万画素センサーを採用しており、シャオミのザン氏によれば、他社端末ではメインカメラに使われるクラスのセンサーだという。
もうひとつの望遠カメラは光学5倍相当の画角で、500万画素と画素数は減るが、光学式手ブレ補正(OIS)が付いているので望遠での撮影には有利。10倍までのハイブリッドズーム、50倍までのデジタルズームにはこちらが使われる。
超広角から望遠まで撮れるスマートフォンは増えているが、2倍程度の望遠なら画質重視のカメラ、手ブレが気になる5倍以上ならOIS付きのカメラと使い分けてくれるのは新しい。
この4つだけでも大抵の場面には対応できてしまうが、マクロ撮影用のカメラもあるのは珍しい。2cmまで寄れるということで、ギリギリまで被写体に端末を近付けて細部を撮れる。
特徴の異なる5つのカメラの組み合わせによってスマートフォン1台で様々なシーンを撮影でき、メインカメラ以外を使う場面でも画質は良好。特に、2倍望遠でも暗い場所で綺麗に撮れるのは便利だ。自分がこの機種を買ったら一度はMi Note 10 Proのカメラだけで取材してみたい、どこまで仕事に使えるか試してみたいと思った。
ただ、タッチフォーカスやシャッター音が他機種と比べても大きく、室内では気兼ねするボリュームなのは惜しい。なんでも鮮明に撮れるカメラだけにそこは慎重なのかもしれないが……。ちなみに、スクリーンショットのシャッター音は鳴らない仕様となっている。
カメラ性能の話に戻ると、メインカメラは常に1億800万画素で撮影しているわけではなく、通常の撮影モードでは4つのピクセルを1つにまとめて画質向上のために活用し、2700万画素相当で撮影される。108MPモードを選ぶと1億画素センサーをフルに使い、12032×9032ピクセルの写真を撮影できる。ファイルサイズやSNSへのアップロードなどを考えると、常に1億画素で撮るというよりはここぞという時に使うと良さそうだ。