中村哲さん殺害に関与か、アフガンの警察が4人拘束…実行犯に資金工面も

 【テヘラン=水野翔太】アフガニスタン東部ジャララバードで、民間活動団体(NGO)「ペシャワール会」現地代表の医師、中村哲さん(73)が武装集団に殺害された事件で、地元ナンガルハル州の警察幹部は9日、4人を拘束したと明らかにした。

 4日の事件では、中村さんのほか、運転手と警備員ら計6人が銃撃を受け死亡した。拘束した4人のうち2人は男で、州報道官は読売新聞の取材に「中村さん殺害に関与した疑いで拘束された」と語った。犯行に必要な資金を工面するなどし、中村さん殺害の実行犯を支援していたという。

 複数の州警察幹部によると、2人の男は8日夜、ジャララバード市内の潜伏先の施設で拘束された。警察は施設内から、車2台と弾薬、治安部隊のものとみられる制服も押収した。残る2人は誘拐容疑での拘束で、警察が関連を調べている。

 地元メディアはこれまでに、事件現場付近に設置されていた防犯カメラの映像を報じている。事件直後には、現場から走り去るセダン型の乗用車2台が録画されていた。武装集団は特別な訓練を受けていた可能性が高く、州警察は組織的な犯行とみて調べている。

 事件では、2台の車で農業支援に向かっていた中村さんら一行の全員が死亡したとみられていたが、生存者がいることが本人への取材で判明した。