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大阪メトロ=大阪市で2019年5月6日、石川直人撮影

地下鉄は顔パスでっせ 大阪メトロ、顔認証改札実験開始 マスクはダメ

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 大阪メトロは9日、地下鉄の長堀鶴見緑地線ドーム前千代崎駅(大阪市西区)で、顔認証システムを用いた自動改札機を報道陣に公開した。顔写真を事前登録することで定期券や乗車券を持たなくても駅の入退場ができ、全国の鉄道で初めての試みという。10日からメトロ社員を対象とした実証実験を始め、2025年大阪・関西万博に先立つ24年度に同社が運営する大阪府内の地下鉄など全133駅で導入を目指す。

 大阪メトロによると、利用者が改札機を通過する際、備え付けのカメラで顔を撮影し、データを本社のサーバーに送信。登録された顔写真と照合し、改札機の扉を開ける仕組みになっている。

 実証実験は10日から来年9月30日までの予定で、当面は顔写真を登録した社員約1200人が参加する。同駅の他、大国町、動物園前、森ノ宮駅でも顔認証の改札機を1~2台置いて行う。

 それぞれメーカーが異なり、速さや正確性などを比較・検証し、機械の精度向上に取り組む。現時点では口元をマスクで覆うなどすると、認証できないケースがあるが、車椅子の使用者、ベビーカーの親子連れらに利便性が高いという。

 広報課は「導入した際の顔写真データなど、個人情報の取り扱いは今後、検討していきたい」としている。全駅で顔認証を導入してからも、定期券や乗車券による利用は継続する。【高橋昌紀】