政府、鹿児島県の馬毛島を160億円で買収 米軍艦載機訓練移転へ
by 毎日新聞政府が米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)の移転候補地として買収交渉を進める馬毛(まげ)島(鹿児島県西之表市)について、島の大半を所有する「タストン・エアポート社」(東京都)と防衛省が29日、正式契約に向けて合意した。買収額は以前、同社側と合意した約160億円で、細部の条件など詰めの協議をした上で正式に契約する。
政府関係者らによると、防衛省と同社は今年1月、2018年度内の売買契約締結に向けた確認書を交わし、買収額約160億円で調整を進めていた。だが、社内対立を経て2月に再任した現社長が契約に慎重な姿勢を示したため交渉は停滞。5月には、同社側が交渉打ち切りを示唆することもあった。その後も協議を続け、今月に入って同社側の態度が軟化。金額以外で双方が提示する条件について協議を進めていた。
騒音が伴うFCLPは東京都・硫黄島で実施しているが、艦載機部隊が駐留する米軍岩国基地(山口県)から1400キロ離れているため、米側が代替施設を要求。日米両政府は11年に約400キロの距離にある馬毛島を候補地とすることで合意していた。【町田徳丈、田辺佑介】