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安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡る問題の野党追及本部のヒアリングで内閣府などの担当者(手前)に質問する議員ら(奥)=国会内で2019年11月29日午後4時50分、川田雅浩撮影

「適切ではなかったのかなあと」ジャパンライフ招待で政府 桜を見る会野党ヒアリング詳報

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 首相主催の「桜を見る会」を巡る問題で、立憲民主や国民民主、共産、社民の野党追及本部は29日も政府事務局側にヒアリングを行った。悪質なマルチ商法の疑いで警視庁の家宅捜索を受けた「ジャパンライフ」の山口隆祥(たかよし)元会長に招待状が届いていた可能性が浮上している問題で、被害者への聞き取りも行われ、被害者は「『桜を見る会』の招待状を見て有名な会社だと思い信用した」などと証言した。主なやり取りは以下の通り。【江畑佳明、大場伸也/統合デジタル取材センター】

 今回は、全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会代表の石戸谷豊弁護士も出席して被害状況などを報告。ジャパンライフに高額の出資をして「だまされた」と訴えている被害者2人への意見聴取も電話で行われ、音声は会場のスピーカーで流された。

「有名なんだな、と信用した」

 山井和則衆院議員(無所属) ジャパンライフの被害のこと、桜を見る会のこと、お話しいただけますか。

 被害女性 今までこつこつとためた老後の資金を全部抜きとられてしまいました。結婚して2人でためた本当に大事なお金。これから使うお金を根こそぎもっていかれたんです。ジャパンライフは安倍(晋三)首相とぐるになって、私のような、田舎の正直者をだましてきたんです。これは国の責任でもあると思います。(ジャパンライフは)消費者庁からいろんな注意を受けたんですから。(ジャパンライフに)「あなたはマイナンバーで、どこにいくらあるか全部わかる。他に預けると税金とかがかかるので、ここに預けて資産を増やしなさい」と言われました。もう20回くらい、200万、あるときは400万とか。保険が満期になったときのお金など、次々と足してしまいました。結果的に4200万円という大金。今は年金でやっと毎日食いつないでいる状況です。ましてや主人はいま、入院して2カ月になろうとしています。本当に途方に暮れています。

 山井議員 山口会長(当時、以下同)が桜を見る会の話をしたんですか。

 被害女性 そうです。「こういう招待状が来ているんだよね」って、みなさんの前で。何十人もいる前で、100人くらいいたかもしれない。何回か見せられておりますよ。

 山井議員 そういうのを見ると信用したということですか。

 被害女性 「ジャパンライフはこれだけ有名なんだな」と感じたんです。人を信用してこういうことになってしまったんです。

 山井議員 ありがとうございました。もう1人、男性の方。

「会長が誇らしげだった」

 被害男性 安倍首相と山口会長との関係についていえば、2015年か16年ごろ、2月かそのころの雪のあった時期だったと思いますが、(ジャパンライフの)大会で、会長が安倍首相から(桜を見る会に)招待されたはがき、あの案内状を会場で出して。「私はこれだけの国会議員の方々と親密なんだ、信用ある者だ」と誇らしげに話していたのを鮮明に覚えています。

 山井議員 桜を見る会の安倍首相からの招待状は、みなさんの判断の参考になった?

 被害男性 参考になったと思います。常に政治家といろんなやりとりをして、国会の情報を一歩でも二歩でも早く私らに提供して、全部信用させてきたというのが会長のやり方でした。

行政指導受けた人物の招待「一般論としては考えにくい」

 黒岩宇洋衆院議員(立憲民主) 省庁が推薦した功労・功績がある方だけに招待状が送られていればこんなことにはならなかった。ノーチェックで、結果として首相がぐるだ、とまで言われている。15年時点で消費者庁が(ジャパンライフの山口)会長を推薦することはあり得るか。行政指導を受けた人を招待するのか。

 消費…

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