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投手の球数制限導入の決定について記者会見する日本高野連の八田英二会長(右奥)=大阪市西区で2019年11月29日午後5時20分、木葉健二撮影

球数制限、日本は医学的データ少なく 米では17~18歳は1日105球上限

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2020年の高校野球の主な変更点

 日本高野連が設置した「投手の障害予防に関する有識者会議」(座長・中島隆信慶大教授)の答申では「1週間500球以内」とする球数制限はガイドラインだった。だが、小倉好正事務局長は球数制限を「高校野球特別規則に付則として載せる方向」と説明し、罰則こそないものの「ルール化」する方針を示した。

 この規制だけで投手の肩肘が守られるわけではない。600件以上の肘の内側側副靱帯(じんたい)再建手術を手がけた慶友整形外科病院(群馬県館林市)の古島弘三医師によると、米国の研究データでは肘に障害が起こる要素として、野球を年間8カ月以上する場合は8カ月未満と比べて5・05倍のリスクがあり、135キロ以上の球速とそれ未満では2・58倍の違いがあるという。投手の障害の要因は多岐にわたる。

 日本では医学的なデータが少なく、目安がない。日本高野連と地方高野連は3年間の試行期間中の肩肘検査で、どれくらいの球数でどの程度の負担が掛かるかなど医学的なデータを蓄積する。日本高野連の八田英二会長は「公式戦の投球数制限だけでなく、練習など投手の障害予防全般に関わる取り組みを強力に推進していきたい」と方針を示す。

 大リーグと米国野球連盟が策定した「ピッチスマート」では17~18歳は1日に投げる上限を105球とし、球数に応じて休養日数も規定している。高校野球版「ピッチスマート」を確立できれば、多くの投手の障害予防につながる。【安田光高】