エーザイ治験、男性飛び降り死と「因果関係否定できず」…厚労省

 製薬会社・エーザイ(東京)が行ったてんかん薬の臨床試験(治験)に参加した20歳代の男性が死亡した問題で、厚生労働省は29日、「死亡と薬との因果関係は否定できない」とする調査結果を公表した。

 発表によると、男性は6月10日に東京都内の病院に入院し、計10日間投与を受けた。24日に退院したが、その日のうちに幻聴や不眠を訴え、再び来院。診察した医師は経過観察をすることにしたが、翌朝、男性は電柱から飛び降りて死亡した。男性は「この状態なら自殺する」などと書いた手記を残していた。

 同省の依頼で調査を行った独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、類似薬には自殺を考えるリスクがあるとされることや、投与開始前に男性が自殺を考えた形跡がないことなどから、薬と飛び降りとの因果関係は否定できないと判断した。