芝野虎丸名人、王座を奪取し2冠に　井山裕太王座を破る

　囲碁の第67期王座戦五番勝負（日本経済新聞社主催）の第4局が29日、愛知県蒲郡市で打たれ、挑戦者の芝野虎丸名人（20）が井山裕太王座（30）に282手で白番半目勝ちし、3勝1敗で王座を奪取した。10月に10代で初めて7大タイトルの名人を獲得した芝野はこれで2冠となった。芝野は20歳0カ月での2冠達成となり、井山の最年少記録（21歳11カ月）を大幅に更新した。一方、井山は2012年以来7年ぶりに3冠（本因坊、棋聖、天元）に後退した。

　芝野は終局後、「勝った3局は苦しい時間の方が長く、勝てたのは幸運だった。井山先生は小さい時から目標にしていた先生で、こういう舞台で打てるとは思っていなかったが、勝てたのは自信になる」と話した。井山は「最近の戦いぶりからすると仕方ない。少しずつ良くなっている手応えはあるので、この舞台に戻って来られるように精いっぱい努力したい」と述べた。【丸山進】