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京都市内で押収された自動小銃(左)と拳銃=提供写真

尼崎銃撃 自動小銃は軍用の「M16」 朝比奈容疑者、周到に計画か

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 兵庫県尼崎市で指定暴力団・神戸山口組の古川恵一幹部(59)が射殺された事件で、同県警と京都府警の合同捜査本部は29日、愛知県江南市の無職、朝比奈久徳容疑者(52)を殺人容疑で再逮捕した。「(古川幹部を)殺すつもりで自動小銃を30発ほど撃った」と容疑を認めているという。朝比奈容疑者は兵庫県姫路市にある指定暴力団・山口組系組員だったが破門されたとみられ、捜査本部は自動小銃の入手経路や組織的背景などを調べる。

 再逮捕容疑は今月27日午後5時5分ごろ、尼崎市神田南通1の飲食店前の路上で、殺意をもって自動小銃を数発発射し、古川幹部の頭や胸などに命中させ、殺害したとしている。朝比奈容疑者は押収された自動小銃が、軍事用に使われる「M16」だと説明し、古川幹部の襲撃に使ったことを認めているという。

 捜査関係者によると、自動小銃は30発入りで、現場で空の薬きょう15発、不発弾13発を発見。弾倉に2発が残っていた。県警は少なくとも十数発を古川幹部に向けて撃ったとみている。また朝比奈容疑者は事件直前、実質経営していた鉄板焼き店にいた古川幹部を「車を駐車したい」と店外に誘い出し、近くに止めていたレンタカーから取り出した自動小銃で撃ったとみられる。

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移送される朝比奈久徳容疑者(中央)=京都市南区で2019年11月29日午後4時22分

 朝比奈容疑者は襲撃の約1時間後、現場から北東へ約40キロ離れた京都市内で、警察官に拳銃を向けたとして銃刀法違反などの容疑で現行犯逮捕。「別の神戸山口組系事務所を襲撃するために京都へ来た」などと供述したという。捜査本部は、山口組と神戸山口組との対立抗争が背景にあるかどうか調べる。

 朝比奈容疑者は10月下旬、尼崎市の現場近くで県警の警察官から職務質問を受けた。古川幹部の行動や周辺の状況を下見した可能性がある。更に今月24日、同市内のレンタカー業者から1週間の契約で、事件で使った白い軽乗用車を借りており、周到に計画を立てたとみられる。