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インターネットスーパー事業で提携するイオンの岡田元也社長(左)と英オカドグループのティム・スタイナー最高経営責任者=東京都渋谷区で2019年11月29日午後4時23分、本橋敦子撮影

イオン、英ネットスーパーと提携 AIやロボット利用し配送 売上高6000億円を目指す

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 イオンは29日、英インターネットスーパー大手「Ocado(オカド)」と国内ネットスーパー事業で提携すると発表した。人工知能(AI)やロボット技術を用いて効率的に仕分けや配送を行うオカドの知見を導入し、2030年までに同事業で売上高6000億円を目指す。

 共働きや単身世帯の増加、デジタル化などを背景に国内ネット通販市場は拡大が続く。イオンやイトーヨーカ堂など小売り各社は既にネットスーパーを手がけているが、実店舗と比べて品ぞろえや鮮度、配達時間の制約などの点で「消費者ニーズとギャップがある」(イオン)という。

 こうした中、00年設立のオカドは実店舗を持たず、ネットで注文を受けた食料品などの宅配を英国全土で展開する。AIやロボを駆使し、大規模な倉庫で商品を自動的に仕分けて配送する独自のシステムにより1時間刻みで配達時間を指定できるのが強みで、こうしたノウハウを欧米や豪州などの小売り大手に販売している。

 イオンは今回の提携を踏まえ、20年3月までにネットスーパー専業の新会社を設立。オカドのノウハウを用いた大規模倉庫を23年に国内に設置し、首都圏を皮切りに新たなネットスーパー事業を本格化させる。東京都内で記者会見したイオンの岡田元也社長は「今回の提携で大きなインフラが入手できる。これをイオンの変身につなげていきたい」と語った。【和田憲二、本橋敦子】