「私心なく国益のために」「民営化に強力な指導力」…経済界から中曽根氏追悼

 元首相の中曽根康弘氏が29日、101歳で亡くなったことを受け、経済界からは哀悼の声が相次いだ。

 日本商工会議所の三村明夫会頭は報道陣の取材に、「私心なく国益のために頑張られた」と述べた。

 三村氏は中曽根氏と同じ群馬県の出身で20年以上前から交友があった。中曽根氏は晩年に車いすを利用したが、会合の場ではつえを使って歩いたという。一昨年開かれた白寿を祝う会では、「朗々とした声で、現役の政治家を思わせるようだった」と振り返った。

 経団連の中西宏明会長も取材に応じ、中曽根氏が良好な日米関係を築いたことが今の日本のベースにあるとして、「偉大な政治家だった」とたたえた。

 経済同友会の桜田謙悟代表幹事は、中曽根氏が国鉄、電信電話、専売の3公社を民営化させたことについて、「強力なリーダーシップがなければなし得なかった」とのコメントを発表。民営化により誕生したJR東日本も、「今日の鉄道の発展につながる大きな功績を残した」とコメントした。