10月鉱工業生産4.2%低下 車・機械、台風が影響

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経済産業省が29日発表した10月の鉱工業生産指数速報(2015年=100、季節調整済み)は前月比4.2%低下し98.9だった。低下は2カ月ぶり。台風19号の影響で自動車や生産用機械など幅広い業種で減産となった。企業の先行き予測も弱く、経産省は基調判断を「弱含み」とした。

QUICKがまとめた民間予測の中央値(2.1%低下)を上回る低下率となった。下げ幅は18年1月以来、1年9カ月ぶりの大きさ。前回増税直後の14年4月は同じ2015年基準で4.4%の低下で、前回増税時並みの大きなマイナスとなった。

業種別では15業種中12業種が低下した。最もマイナス寄与が大きかったのが自動車で、前月比7.8%低下した。10月に上陸した台風19号で部品の調達が滞り生産に影響した。生産用機械も台風の影響で6.4%低下と振るわなかった。前月に大型案件によって上昇幅が大きくなった汎用・業務用機械は13.0%の低下と反動も出たようだ。

出荷は4.3%の低下と2カ月ぶりのマイナスだった。在庫は1.2%の上昇で4カ月ぶりに前月を上回った。

経産省が28日発表した10月の小売販売額は前年同月比7.1%の低下と前回の増税直後よりも大きなマイナスだった。ただ生産面では「消費増税の影響が大きく出たとは考えていない」(同省)とした。

SMBC日興証券の宮前耕也氏は「台風の影響だけなら在庫は減るはず」と指摘。その上で「増税前の駆け込み需要に対応した中小企業の設備投資がなくなった反動や、外需の低調が影響したとみるべきだ」と述べた。

メーカーの先行き予測をまとめた製造工業生産予測調査によると、11月は前月比1.5%の低下、12月は1.1%の上昇見込みだ。経産省は「生産に弱さが感じられる状態が続いている」と指摘。基調判断はこれまでの「このところ弱含み」から「弱含み」に修正した。