https://cdn.mainichi.jp/vol1/2019/11/29/20191129k0000m010126000p/6.jpg?1
第3次中曽根内閣発足の翌日、首相官邸で記者会見する中曽根康弘首相=1986年7月23日、木村滋撮影

評伝 中曽根康弘元首相 戦後保守政治の生き証人=客員編集委員・松田喬和

by

 中曽根康弘元首相は「戦後保守政治の生き証人」とも言うべき存在だった。初夏に虎ノ門の事務所でお目にかかった。「松田さん、いくつになった?」。「古希を過ぎました」と答えると、「若くていいなー」と大いに羨ましがってくれた。

 取材で会い始めたのは1974年。当時から好奇心旺盛で、持論の「政治は文化に奉仕する」を実践していた。100歳過ぎても読書家で、ベストセラーには決まって目を通すように心掛けていた。

 政治家を志した戦後間もない段階から、憲法改正を政治目標に掲げた。日本の自立を訴え続け、吉田茂首相を…

この記事は有料記事です。

残り896文字(全文1145文字)

いますぐ登録して続きを読む

または

登録済みの方はこちら